マンションの防犯対策はどうすればいい?侵入窃盗の経路と防ぎ方
オートロックなどの設備が充実したマンションは、戸建てに比べて安全性が高いといわれることがあります。実際に、侵入窃盗被害の発生件数は、マンションよりも戸建て住宅のほうが多くなっています。しかし、マンションの侵入窃盗も決して少ない件数ではありません。少しの油断が被害につながらないよう、マンションに住んでいる人も防犯を意識した暮らしを送りましょう。
ここでは、マンションの侵入窃盗の手段や防犯対策のほか、防犯に適した物件の選び方を解説します。
マンションの侵入窃盗の手段
侵入窃盗犯は、さまざまな方法でマンションに侵入します。
下記は、マンションをはじめとする共同住宅に入り込んだ侵入窃盗犯の侵入手段を示すグラフです。3階建て以下の共同住宅、4階建て以上の共同住宅それぞれについて、どのように侵入してきたのか、その割合を見てみましょう。
■ 侵入窃盗犯の侵入手段
※警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」(2023年8月)をもとに作成
グラフを見ると、マンションといった共同住宅に入り込んだ侵入窃盗犯の半数近くが、鍵のかかっていない窓や扉から入り込んでいることがわかります。これは、建物の規模にかかわらず共通している特徴です。
一方、ガラスを破って侵入してくる侵入窃盗犯は、建物の高さが低いほうが多くなります。ただし、4階建て以上の場合でも、ガラス破りによる侵入がないわけではありません。また、ドアを破って侵入してくる侵入窃盗犯も、一定の割合で存在しています。
マンション住まいの防犯対策
設備の整ったマンションに暮らしている人でも、個人の防犯意識が低ければ、侵入窃盗の被害に遭う可能性が高まってしまいます。
ここからは、マンションに住んでいる人が行うべき防犯対策をまとめましたので、どのくらい実行できているか、普段の暮らしを見直してみましょう。
施錠をきちんと行う
マンションの防犯対策を行う際、最も意識しなければならないのが「施錠」です。無施錠の部屋への侵入は、マンションの侵入窃盗で最も割合の多い手口ですから、徹底しましょう。
特にオートロックのマンションの場合、「建物の中に入れるのは限られた人だけである」という油断から、鍵をかけずに家を出てしまうことがあります。また、「同じマンション内のママ友におすそ分けを渡しに行くだけだから」「1階のポストに行くだけだから」「ゴミを出すだけだから」など、同じマンションの敷地内なら大丈夫と思い込んでしまうことも。
しかし、いくら短時間やマンション内だけの移動でも、無施錠は侵入窃盗被害に遭うリスクを高める行為です。家を空けるときは、玄関扉はもちろん、窓やベランダの鍵もきちんと閉めるようにしてください。もちろん、窓を開けっぱなしにするといった行為は厳禁です。
住人同士でつながりを持つ
都心部の賃貸マンションでは、近隣の部屋に住んでいる人との関わりを持たない人も珍しくありません。しかし、防犯面においては、マンション内の人同士が顔見知りであるほうが安心です。
同じフロアに住んでいる人と顔見知りになっていれば、見慣れない人が入り込んでいた場合、すぐに気づけます。また、たとえ顔は覚えていなくても、住人同士で「こんにちは」と挨拶し合う習慣があるマンションでは、侵入窃盗犯にも声をかける人が出ますから、犯罪を思いとどまらせる効果が期待できます。
防犯グッズを活用する
マンションの防犯に役立つグッズの活用もおすすめです。
ベランダなどからの侵入を防ぐための人感センサーライトや、窓・扉の振動や開閉でブザーが鳴る防犯アラーム、サムターン回しの被害に遭わないため玄関扉の鍵に設置するサムターンガードのほか、窓の補助錠、窓ガラスに貼ることでガラスの耐久性を高める防犯フィルムなどは、マンションの防犯にも効果的です。
また、やや大掛かりになりますが、鍵をピッキングされにくい物に交換したり、ドアチャイムをカメラ機能つきインターホンにしたりするのもおすすめです。ただし、このようなリフォーム工事は、賃貸物件の場合はオーナー、分譲マンションの場合は管理組合に了承を得てから行う必要があります。規約などをチェックし、しかるべき手続きをとってから行いましょう。
防犯に適した物件を選ぶときのチェックポイント
防犯というと、「オートロック」「防犯カメラ」「管理人常駐」「カメラつきインターホン」などを思い浮かべる人も多いかもしれません。もちろん、このような設備面は大切ですが、それだけではわからないポイントもあります。
続いては、防犯に適した物件を選ぶために覚えておきたいポイントをまとめました。内見の際にチェックしておきましょう。
周辺の人通り
防犯対策は、建物自体だけでなく、周辺の環境にも左右されます。侵入窃盗犯は人に見られることを嫌いますから、人通りが多い場所に立っているマンションは、それだけで防犯面のメリットがあるのです。
マンションの前の道を多くの人が通っていたり、住人同士のつながりが深く、立ち話をしている人がたくさんいたりする環境は、空き巣などに狙われにくいといえるでしょう。
マンションの外観
いくら人通りが多くても、マンションの様子がまったくうかがえない造りになっているようでは、通りがかりの人に不審者を気づいてもらうことができません。マンションを外から見てみて、通行人が不審者を見つけやすい構造になっているかどうかを確認してみましょう。
具体的には、人が多くいる通りから、マンションの出入り口が見えるかどうか、ベランダに忍び込もうとしている人がいた場合に気づけるかどうかといった点に着目してみてください。
共用部分の防犯性
マンションの共用部分についても、防犯を意識した視点からチェックする必要があります。
出入り口
出入り口がオートロックかどうかということと、出入り口が道路から見やすい位置にあるかどうかについて確認しておきましょう。ただし、道路に面していて境のない出入り口は、外部の人が入り込みやすいため、あまりおすすめできません。
ホール
マンションの入り口を入ってすぐのホールについては、見通しがいいかどうか、管理人がいるかどうか、防犯カメラ設置されているかといった点についてチェックしましょう。
エレベーター
防犯カメラつきのエレベーターや、内部の様子が1階ロビーなどで確認できるエレベーターだと安心です。また、居住階にしか止まらないセキュリティ性の高いエレベーターを採用しているマンションもあります。
ポスト
ポストに鍵がついているかどうかや、宅配ボックスがあるかどうかを確認しましょう。また、ポストに入ったチラシがたくさん落ちているようなマンションは、管理がしっかりしていない可能性があるため、注意が必要です。
共用廊下
共用廊下についても、外からの見通しがいいかどうかと、身を隠せるような場所がないかどうかをチェックします。併せて、防犯カメラの有無や、明るい照明がついているかどうかなども見ておくと安心です。
駐車場
駐車場の出入りが自由で、マンションの住人以外も入れてしまうようでは、防犯面の不安が残ります。同時に、駐車場内の防犯カメラの有無や見通しの良さ、駐車場からマンションの建物内へのアクセスなども確認しましょう。
ゴミ捨て場
ゴミ捨て場の管理がきちんとなされているかどうかと、ゴミ捨て場の屋根などを伝ってマンション内に侵入できてしまわないかどうかを確認しておきましょう。
マンションの裏手
マンションの裏手側にも出入り口がある場合は、表の出入り口と併せて、防犯カメラの有無や周囲の道からの見通しなどを確認します。
実際の部屋
マンションの部屋を内見するときは、まず、玄関扉の鍵がツーロックかどうかと、ピッキングされやすいシリンダーキーではないかどうかをチェックします。併せて、インターホンがカメラつきかどうかも見ておきましょう。
また、窓ガラスが防犯ガラスかどうかや、ベランダが外の通りから見通せるかどうか、ベランダにアクセスできる配管などが壁を伝っていないかどうかなどを確認します。
住人同士のつながり
住人同士が頻繁に挨拶を交わしているマンションは、住人同士の関わりが少ないマンションに比べて、侵入窃盗犯が忍び込みにくい環境にあるといえます。
内見のときも、すれ違った人や管理人がどのような対応をとってくれるのかを見ておくことをおすすめします。
賃貸マンションでも分譲マンションでも使える防犯サービス「Secual」
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「ゲートウェイ」とセンサーを連動させることで、外部からの侵入を素早く検知。ゲートウェイは、警報ブザーを鳴らすと同時に、スマートフォンにも通知を送ります。
窓や扉の開閉と振動を検知する「開閉センサー」と、人の動きを検知する「人感センサー」という、2つのセンサーを窓や壁などに設置しておくだけで、万一の事態に備えることができます。
セキュリティのオンオフはスマートフォンから簡単にできますし、タイマーでセットしておくこともできますので、手軽に自宅の安全を守れます。
さらに、Secualを導入したにもかかわらず不法侵入被害に遭ってしまった場合は、見舞金3万円が支給されます。
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マンションの防犯対策を見直そう
マンションだからといって、防犯対策を個人でしなくていいというわけではありません。セキュリティのしっかりしたマンションでも、少しの油断や隙が侵入窃盗の被害につながります。部屋のセキュリティを見直し、必要に応じた防犯対策をとりましょう。
ただし、マンションの場合、管理組合やオーナーに了承を得ないとリフォームができない場合があります。規約を確認するとともに、リフォームなしで使える手軽な防犯グッズなども検討してみてください。