1. 年末は犯罪者の“繁忙期”
宅配ラッシュ=盗難ラッシュの始まりです
12月になると、日本中の玄関が一気に慌ただしくなります。
買い物、クリスマスギフト、年末年始の食品、ふるさと納税、ボーナスでの大型家電など、荷物が次々と届きます。
宅配ボックスはフル稼働。
宅配ドライバーさんは毎日走りまわり、
そして玄関先には段ボールが積み重なります。
そんな中、人知れず“ニヤリ”としている人物がいます。
宅配盗難犯、いわゆる「ポーチパイレーツ」です。
アメリカでは社会問題でしたが、最近は日本でも急増しています。
特に年末は、犯人にとって“黄金期”とまで言われています。
理由は簡単です。
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荷物が増える
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人が家にいない時間が長くなる
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玄関前の無防備な段ボールが増える
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夜が長く、日が落ちるのが早い
つまり、
「盗みやすい条件がすべてそろってしまう」 のです。
2. 年末に実際に起こった“置き配盗難”のリアル事例をご紹介します
ここからは、防犯ナビ編集部が調査した 実際の事件・投稿 を紹介します。
「まさか…」と思うかもしれませんが、これが現実です。
【事例①】玄関の段ボールが“数秒で消える”
ある防犯カメラ映像では、
配達員が置いた荷物が、たった 3分後 に別の人物に持ち去られていました。
犯行にかかった時間は わずか7秒。
家主は仕事中で不在のため、誰も気づけませんでした。
配達アプリの到着予測や配達ルートの習慣を、
犯人がチェックしていた可能性があります。

【事例②】“ふるさと納税返礼品”をまとめて盗まれる
年末で増えるのがこれです。
返礼品の食品はサイズが大きく、箱の印刷で内容もバレやすいものが多いです。
ある家庭では、届いた返礼品 3箱すべて が置き配後すぐに盗まれました。
家主が帰宅した時には、痕跡すらありませんでした。
【事例③】昼の盗難が“二次被害”につながるケース
昼間に置き配を盗まれた場所を、犯人が「日中の不在が多い家」と判断。
翌日には自転車や屋外の小物まで盗まれるケースもありました。
置き配盗難は“その家の不在パターン”を分析される危険もあります。
【事例④】置き配の写真が“侵入のヒント”になる
宅配会社から届く置き配写真。
便利ですが、SNSに投稿すると危険です。
玄関周りの特徴、防犯機器の有無、生活感、家族構成が推測されるケースもあります。
年末は特に、軽い気持ちの投稿が危険情報になりやすいため、注意が必要です。
3. 犯人はどこを見ているのか?
年末の玄関で“狙われやすい5つの特徴”
置き配盗難の犯人は、なんとなく盗んでいるわけではありません。
彼らなりの“チェックポイント”があります。
① 荷物が積み重なっている
宅配ボックスが満杯になると、玄関前に荷物があふれます。
これは犯人から見れば「留守です」のサインになります。
② 夜になっても荷物が放置されている
暗くなるまで荷物がそのまま → 「帰宅が遅い家」と認識されます。
③ 家の前が暗い(照明が弱い)
暗所は犯人にとって理想の環境です。
センサーライトがない家は“盗みやすい家”と判断されます。
④ 防犯カメラの位置が“ズレている”
犯人はカメラの死角をよく研究しています。
玄関正面を映していないカメラは、ほぼ意味を成しません。
⑤ SNSで「留守」「帰省」「旅行」を投稿している
犯罪者はSNSを見ています。
無意識の投稿が、不在の証拠になってしまうことがあります。
4. 今日からできる“年末置き配対策”
置き配場所を変えるだけで安全性は大きく変わります
宅配を完全にやめるのは難しいため、
“盗まれにくくする仕組みづくり”が重要です。
🏠 対策①:置き配場所を“見えない場所”に指定する
アプリで指定できる場合は、以下を優先しましょう。
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メーターボックス内
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自転車置き場の裏
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共用廊下の内側
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車の陰
犯人から見えないことが最優先です。
🏠 対策②:鍵付き置き配ボックスを使う
鍵付きのボックス(3,000〜10,000円台)を使うと、盗難リスクが大幅に下がります。
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上から荷物を入れる構造
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外から取り出せない
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チェーンで固定可能
というタイプがとても効果的です。
🏠 対策③:宅配ボックスの“満杯対策”
年末はボックスの利用が集中します。
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不要な段ボールはすぐ処分
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荷物回収をこまめに
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大型荷物は事前に配達日時を調整
この3点だけで、玄関前が散らかるのを防げます。
🏠 対策④:センサーライトや防犯カメラは“見せる設置”
犯人は「バレる未来」を嫌います。
玄関前に
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明るいライト
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赤く光るカメラのインジケーター
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防犯ステッカー
などを配置すると、犯行をためらわせます。
🏠 対策⑤:在宅中は“すぐに荷物を回収”
置き配が長時間放置されていると、狙われやすくなります。
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在宅時は通知を見たらすぐ回収
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家族で役割分担
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配達時間の把握
これだけでも盗難率は大きく下がります。
はじめに 近年、宅配業者を装った詐欺が全国で増加しています。 コロナ禍を経てECサイトの利用が一般化し、多くの家庭で宅配便を受け取る機会が増えました。 その状況を悪用し、偽の宅配業者が個人情報を盗んだり、家に侵入しようとするケースが発[…]
5. 盗難後に気づく“落とし穴”
実は取り返しのつかないことが多いのです
置き配が盗まれた場合、
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配送会社の補償が効かない場合がある
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クレジットカードの補償には手続きが必要
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商品の再配送ができないケースも多い
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ふるさと納税返礼品は“再送不可”自治体も多い
など、深刻なトラブルにつながりやすいです。
だからこそ、
事前に盗まれないことが最も大切 なのです。
6. まとめ
年末は“荷物も家の情報も”狙われやすい季節です
置き配盗難は、
荷物を取られるだけの問題ではありません。
玄関に放置された段ボールは、
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不在時間
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家族構成
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生活レベル
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家の構造
など、さまざまな情報を犯人に与えてしまいます。
あなたが忙しく働いている間に、
犯人は玄関を観察しています。
だからこそ年末は、
“置き配対策=家全体の防犯対策”
と考えて行動することが大切です。
今年の年末は、
「荷物の置きっぱなしゼロ」を目指してみませんか?
その一歩が、あなたの家を守る一番確実な防犯対策になります。



