車はなぜ盗まれる? 知っておきたい窃盗団の素顔

朝起きたら愛車が消えていた!

夜のうちにひっそり行われている車の窃盗。

いったい、誰がどんな理由で盗んでいくのでしょうか?

窃盗団の素顔が分かれば、対策にも効果があるかも?

 

今回は、防犯コンサルタントで元警視庁公安捜査官の松丸俊彦さんに、

  • 盗まれた車はどうなってしまうの?
  • 一体、どんな人が盗んでいくの?

ということをお聞きしました。

松丸さんは、現役時代、密輸ルートの摘発に関わられたこともあるとのこと。

海外での犯罪事情にもお詳しいことから、よりリアルにアドバイスをいただきました。

 

 

その車、なぜ盗まれた?

どうして車が盗まれるの?

海外で人気があるからです

日本のSUV車は、海外の道路環境が過酷な地域で人気があります。

それは壊れにくく、壊れても修理しやすいから。

また、インフラが整っていない地域では、もとより道路の状態もよくないもの。

そんな中でも走れる車として人気なんです。

 

それって、本当は日本人として誇りに思うところですよね?

でも、そこが窃盗団に狙われる理由にもなってしまっているんです。

人気があるものを密輸すれば、稼ぐことができる……そう考える犯人がいるからです。

 

盗まれた車はどこへ行くの?

解体されて海外に密輸されます

海外で人気があるわけですから、盗難車はほぼ、海外に密輸されます

問題は、ただ持っていかれるわけではないところ。

 

日本から出ていく前に、解体され部品の状態になってから密輸されるんです。

これ、どうしてだと思いますか?

日本から持ち出すときにバレにくいようにでしょうか?

それとも、運びやすいように?

 

もちろん、それもあるのですが、一番は現地に持ち込みやすいように、とのこと。

車を丸ごと輸入するよりもはるかに安全に密輸できるから、だそうです。

最終的に現地で組み立てられるのですが、そのときも同じ車種の別の車の部品を寄せ集めて、組み立てられるとのこと。

そうなってしまうと、もうそれが「自分の車」だとは言えなくなってしまいます。

 

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盗まれた車は取り戻せる?

いいえ、ほとんど無理だと思ってください

解体されてしまえば、もう取り戻せません。

仮に取り戻せて、元に戻せたとしても……その被害は甚大ですよね。

松丸さんのお話では、窃盗団は24時間ほど、追手が来ないことを確認するとのこと。

コインパーキングなどに放置して、GPSが付いていないことを確認するのだそうです。

反対に、解体業者の手に渡ってしまったら、手遅れになると考えましょう。

 

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窃盗団のほとんどは外国籍

窃盗団ってどんなもの?

小さなグループが寄せ集まっています

窃盗団、と聞くとどんなイメージがありますか?

ただ盗んでいくだけなら、少人数のグループでもできそうですよね。

でも、ここまでに書いたように、解体したり海外へ運び出さなくてはなりません。

そのため、実はかなり多くの人間が関わっているのが車の窃盗なんです。

 

盗む人、解体する人、それを港へ運ぶ人、海外へ持ち出す人、そして受け取る人、組み立てる人。

 

これ、すべてが一つの組織なわけではないんです。

それぞれ、役割ごとに小さな組織として動いているのだそうで、常に離合集散を繰り返します。

お互いの結びつきが強くないため、情報が洩れることもあるそうですが、反対に全容が分かりにくいそうです。

 

日本人もいますが多国籍です

海外への密輸には、現地での対応が重要になるため、外国籍の人間が関わっていることが多いそうです。

ただ、日本から盗み出すわけですから、中には日本人もいます。

特に、日本車の仕組みをよく知る技術者が、引き入れられているとのこと。

 

しかし、最近ではそれも、近隣アジア諸国の技術者に変わってきているそうです。

理由はグローバル化とIT化

人の流れが柔軟になった分、日本国内で犯罪に関わる人間も、国際化が進みました

海外から勉強や就労のためにやってきた人が、犯罪に手を染めてしまう。

そんな図式が多いのだそう。

そこで、日本で学んだ技術が悪用されてしまうこともあるんです。

また、海外へ進出した工場で技術を学んだ人が、それを悪用することも。

 

加えてIT化が進み、情報を誰でも知ることができるようになったことも一因です。

日本のどこに誰が住んでいて、どんな車を持っているか。

インターネットが普及していなかった頃は、すぐには分かりませんでしたよね。

その家までの道がどうなっていて、入りやすそうか、持ち去れそうか。

今では、ネット上の地図で簡単に狙いを付けることもできるんです。

 

だれが首謀者?

さて、このたくさんの犯人たちの誰が中心にいるのか、わかりますか?

最初に盗む人でしょうか? それとも解体業者? 現地で売りさばく人でしょうか?

それとも、全く別の誰かが指示を出している?

 

実はこれも昨今のIT化の影響もあって、定かではないとのこと。

さらに、多国間に渡って行われる犯罪ですから、どこに大元の首謀者がいるのか分かりませんよね。

全く関係のない、別の国から指示を出していてもおかしくはないわけです。

 

盗まれた車は解体されてしまえば戻ってはきません。

その上、相手は掴みどころのない集団。

直接盗んだ犯人が捕まっても、この犯罪自体が根絶するわけではないのが、難しいところです。

 

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闇バイトと関係ある?

今のところは、ありません

闇バイトに見られる詐欺や強盗とは、種類の違う犯罪です、と松丸さんは教えて下さいました。

詐欺や強盗も、分業制、グローバル化が進んでいますよね。

車の窃盗はそれとはまた、別のルートで行われているとのこと。

実際の「物」が動くということ、窃盗や解体、密輸に技術や知識が必要なことで、特色が違っているようです。

 

しかし、様相が似ているこの二つ、決して相いれないわけではないことを、覚えておいてください。

闇名簿、というものがありましたよね。

詐欺や強盗の犯行グループの持つ情報を、車の窃盗団が利用しないと言えるでしょうか?

また、その逆もあり得ますよね。

 

分業化が進めば、闇バイトの中に車の窃盗に関わるものが含まれる可能性もあります。

グローバル化とIT化は、わたしたちの普段の生活を便利にしましたが、犯罪の傾向も変化させました。

防犯に関する情報に、常に気を配っておくことは重要です。

 

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とにかく持ち去られないこと

最も有効な方法は?

エンジンがかからないようにすること

一番は車が簡単に動かないようにしておくことです。

実は、最近の被害状況では鍵を掛けていても盗まれる事例が多発

これは、電子キーの電波を妨害したり傍受することによって、エンジンを始動させてしまうからです。

 

少し前までは、キーから出る微弱電波を増幅させる手口が流行っていました。

対策としては、車の近くにキーを置かないことや、電波を遮断できる入れ物に入れること、がありますよね。

聞いたことのある方も多いかもしれません。

 

ところが、最近ではもっと離れた場所から電波を傍受できるようになっていたり、車そのものから信号を奪う手口も出てきました。

これまで知っている対策では、手遅れになるかもしれないんです。

 

これを防ぐためにも、車のキーとは別に、エンジンをかけられない仕組みを作っておくことが重要です。

空き巣を防ぐ二重ロックと似ていますよね。

 

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GPSを付けることも大事

盗難された後、解体されるまでが重要、と最初の方で書きました。

だからこそ、GPSの設置は大事なんです。

できるだけ早く車の場所を突き止めることで、取り戻せる可能性が高まるから。

実際に、GPSのおかげで盗難されたものの、解体や国外への持ち出しを防げた例もあります。

 

ただし、簡単に取り外せてしまう場所はNG。

窃盗団もGPSが脅威になることは分かっていますから、最初に取り除かれる危険があります。

 

できれば、GPSが付いたセキュリティ機器を搭載するのがオススメです。

とはいえ、せっかくGPSがあっても、受信できなければ意味がありません。

事前に、スマホやパソコンでの操作方法を確認しておくことや、警察への通報時に共有できるようにしておくことも大切です。

 

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狙われないためにできることってある?

持ち出しにくいと思わせること

門扉のない駐車場は、簡単に盗めると思わせてしまうため危険です。

特に、敷地が広く車を動かしやすい、前の道路が通行しやすい、なら要注意。

自分の出入りにも不便かもしれませんが、簡単な柵やチェーンでも抑止力に。

できれば、人の動きを検知できる防犯ブザーや防犯ライトを付けましょう。

 

また、最近ではオンラインの地図にある航空写真やストリートビューなどで狙いをつける場合も。

狙われやすい車種があることが分からないよう、カーポートやガレージの設置も有効です。

 

窃盗団を捕まえることはできる?

今すぐには無理かもしれません

本当は、犯罪が無くなればいいことですよね?

こんなに自分で気を付けなくても、警察がきちんとしてくれればいいだけなのに、って思いますか?

 

でも、グローバル化した集団を摘発するのはとても難しいこと。

一つの国だけでは対応できないことがあったり、何より首謀者が誰でどこにいるのかも分からない。

それが昨今のグローバル化、分業化した犯罪集団なんです。

 

どの犯罪でもそうですが、犯罪の温床になる状態を作らないことが重要です。

まずは一人ひとりが防犯を意識して行動すること

家の周りの安全を確保すること。

それが、街全体の安全を作り上げていくことにつながります。

 

まとめ

いかがでしたか?

 

  • 盗まれた車は解体されて海外へ密輸
  • 解体される前に発見しなければ手遅れ
  • そのためには動かせない仕組み+GPS設置が鉄則

 

この三つを覚えておいてくださいね!

 

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今回、いつものように
防犯コンサルタントで元警視庁公安捜査官の松丸俊彦さんに
お話を伺いました。

印象として、
犯行の全容があまりにスケールが大きく「途方もない……」
と感じました。

海外への密輸ルートは摘発されても、
しばらく後にまた復活するそうで、
松丸さん曰く「お風呂のカビです」とのこと。

この一言が、現場を知る方のリアルな本音に思えました。

松丸さんのX(旧Twitter)では、
防犯に役立つ情報が更新されています。
ぜひ、参考になさってください。

 

 

 

 

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