1. 「盗難の日」って知っていますか?
10月7日は盗難の日。
毎年、車やバイク、自転車といった乗り物の盗難被害に目を向け、改めて防犯意識を高めてもらうために制定された「盗難の日」。
ニュースでは「〇〇県で高級車が盗まれた」「深夜にプリウスが消えた」といった報道を見たことがあるかもしれません。
しかし、それは決して他人事ではありません。
警察庁の統計によると、2024年に全国で認知された自動車盗難件数は6,000件以上。
ピーク時に比べれば減少しているとはいえ、ここ数年は横ばい〜微増傾向。
特に高級SUVや人気車種は依然として“標的リスト”の常連です。
この記事では「盗難の日スペシャル」と題して、あえて犯人の視点に立ち、“盗みやすい車・盗まれにくい車”を解説します。
2. 犯人の目線で考える「盗みやすい車」
泥棒が狙う車には共通点があります。
犯人の心理に沿って、その特徴を見ていきましょう。
実例①:3分で消えたランドクルーザー
名古屋市郊外の住宅街。
深夜、防犯カメラに黒いフードをかぶった男が映っていました。
彼は懐中電灯を一度も使わず、車体下部に機器を接続。
数分後、エンジンは静かにかかり、真夜中の闇にランドクルーザーは消えました。
理由:海外での人気、転売価値が高く、組織的に狙われやすい。
実例②:プリウスが“静かすぎて”盗まれる
千葉県では、プリウスが夜中に盗まれる事件が続発。
被害者は「朝起きたら駐車場が空っぽだった」と語ります。
理由:静音性が高く、犯行後に住宅街を走っても気づかれにくい。
実例③:仕事道具ごと消えたハイエース
職人が使うハイエースは、車両価値に加えて積まれている工具・資材も狙われる。
盗まれた翌日から仕事ができなくなるため、被害額は車両価格を超えることも。
理由:商用車需要が高く、盗んだ後も使いやすい。
3. 犯人の心理と最新手口
泥棒は「短時間で、静かに、確実に」車を盗むことを最優先にします。
そのために使うのが最新の電子的手口です。
- リレーアタック:スマートキーの電波を中継し、ドアを開けてエンジン始動。
- CANインベーダー:車の電子制御システムに直接侵入し、数分で解錠。
- コードグラバー:リモコンキーの信号をコピーして解錠。
犯人にとって理想のシナリオはこうです。
「人目が少ない暗い駐車場 → 人気車種 → 電子的手口で数分以内に盗難完了 → 海外へ流すか解体ヤードへ」
4. 犯人が選ぶ“盗みやすい条件”
泥棒の視点で見た場合、次のような条件が揃った車は“お宝”です。
- 人気車種・高級SUV(ランドクルーザー、レクサス、アルファード等)
- 静かなハイブリッド車(プリウス等)
- 商用車(ハイエース等)
- 暗い場所に駐車している車
- 追加の防犯対策が一切ない車
逆に、時間がかかりそうな車、防犯装置が目に見えている車は、最初から避けられる傾向があります。
5. 犯人にとって“盗みにくい車”とは?
犯人は「リスク」を嫌います。
つまり、次のような工夫をしている車は避けられやすいのです。
物理的対策が見える車
ハンドルロック、タイヤロックなどが装着されている。解除に時間がかかる。
電子的対策をしている車
スマートキーの電波を遮断するケースを使う。GPS追跡装置を搭載している。
環境的に守られている車
防犯カメラの下や人感センサーライトがある場所に駐車。ステッカーやダミーカメラで「監視されている感」を出している。
犯人の心理は単純です。
「盗むのに時間がかかる=捕まるリスクが高い」。
だからこそ、防犯対策は“泥棒のやる気を削ぐ”ことが最重要です。
6. 「盗難の日」に考えるべきこと
「盗難の日」は、単に被害を思い出す日ではありません。自分の車を守る行動を始める日です。
あなたの駐車場は暗くないですか?
鍵を閉めるだけで安心していませんか?
人気車種に乗っていませんか?
「昨日まで大丈夫だったから、今日も大丈夫」――そう思った瞬間が一番危険です。
7. まとめ:今日からできる一歩
盗難の日をきっかけに、愛車の防犯を見直しましょう。
- ハンドルロックを付ける。
- キーケースを導入する。
- 駐車場にセンサーライトを付ける。
どれも“今日からできること”です。
犯人にとって最も嫌なのは、「この車は盗みにくそうだ」と思わせること。
盗難の日を“守る日に”。あなたの車を守れるのは、あなた自身です。